暁烏敏賞 昭和60年第2部門本文「第二回所沢サマースクール 高校生ボランティアの受け入れを通して」2

ページ番号1002680  更新日 2022年2月15日

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第1回暁烏敏賞入選論文

第2部門:【青少年の健全育成に関する論文または実践記録・提言】

4、来年にむけて

(1)運動会見に来て

「運動会必ず見に来てね」「今度、所沢に帰ったら電話するよ」「お手紙ちょうだい」「私の学校に近いんだから、遊びに来て」「遊びに行くからね」子どもの声ばかりが聞こえる。リーダーたちの返事は聞こえない。声にならない返事。
今日は、後半の最後とも十泊十一日の所沢サマースクール最終日とも言える日だ。長かった。しかし、あっという間だった。時間の流れは、すでにこの時を知っていたのだが、それにしても別れはいやなものだ。子どもと高校生リーダーの別れが感動的であるならば、我々スタッフとの別れも同じだ。よく頑張った。いくら形容詞を並べてみたところで、言い尽せない。共に生活をした、仲間の連帯感とでも言おうか。リーダーたちと握手をする。握手の中で通じ合う気持。無事終わったことの、いや一つのものを作り上げたことに対する満足感が湧いてくる。

(2)高校生リーダー

ここに、子どもたちと高校生リーダーの感想文がある。二百五十枚近くの感想文。夏の暑い日々、名栗で思いっ切り生活をした記録である。それは、みんなで作り上げた一つの作品とも言うことができる。
青少年の健全育成について、昨今論議がなされ、色々な実践が行政を中心に行なわれている。所沢の場合にも、高校生ボランティア研修講座が六十年度から開講された。この所沢サマースクールについては、昨年に引き続き教育委員会の後援があるものの、その実態は、実行委員会形式による民間のものである。今年、高校生を実際に預ってみて、多くのことを学んだ。これから、青少年の社会参加が益々活発化してくるだろうと予想される。当然行政であれ、民間であれ、その受け入れが問題になってくるだろう。どのような形の受け入れがよいのか、その時、留意しなければならないことは、何なのかということが問題となる。そのことについては、その都度、実践に即して書いてきたつもりである。それは、当り前のことであったのかもしれない。しかし、全く当り前のことになっていない気もするのだ。以下簡単にまとめてみたい。
まず、人間関係を確立するということである。これは、たての関係とも言うべきものだろう。対子ども、対大人(スタッフ)いずれにもである。彼らは、子どもに認められることで、スタッフに認められることで、自己の存在をしっかりと把握する。スタッフは、リーダーとして彼らを一人前に扱う。これは日頃、家庭や学校の中で経験できないことではないだろうか。勉強ができるできないが、基準ではない。リーダーの自覚を持ち、活動できるか、できないかである。今回の高校生について、私は普段の生活や学業については何もしらない。そして、皆リーダーを信頼してまかせてきた9まかせられた時に、彼らは持っている以上の力を発揮する。
次には、横の関係とでも言うべきものだろう。高校生の連帯感を作り出すように、スタッフは心掛けるべきである。友だちは喜びを倍に、苦しさを半分にとも言う。仲間意識を育てていくことだ。そのためには、一つの事業の企画、運営部門において、全部とは言わないが、彼ら自身が主体的に参加できる分野を設定すべきであろう。決して、プログラムを消化していく(役割分担に従って)だけではなく、有機的な機能体として高校生リーダー全体をとらえ、指導していくことが必要と思われる。彼らは、ボランティア活動を学びながら実践している。彼らが問題を自分自身のこととしてとらえた時の実践に対する情熱は語り尽せないものがある。
このたてと横の図式は、小学生たちにもあてはまるものだ。し小学生たちは、普段ほとんど接したことのない高校生と生活を共にした。自分の兄貴分として、姉貴として。高校生を見ることで自分をとらえた。自分たち六年同士という横の関係でたくさんの友だちを得た。これから、このたてと横の関係で高校生、子どもたちをみていぎだいと思う。

(3)スタッフから

「来年も又来ていいの」と聞く子どもたち。「いいとも」君たちが戻ってきて、活動できる場をなんとか考えよう。これから、このサマースクールが益々発展していくためにも、是非ともやらなければならないことだ。
六十年度のサマースクールは終わった。しかし、終わったその時点からスタートしている。六十一年、第三回にむけて。
私達は思う。高校生たちに見てもらいたいものが実はまだあったのだ。子どもにかかりっ切りで見れなかったかもしれない。気がつかなかったかもしれないが、いっか気がついて欲しい。このサマースクールを実施するにあたって、準備、その他諸々の仕事に携わってくれた多くの人々の協力があって、はじめてできたことを。青少年健全育成の活動は、その対象だけあれば一よいものではなく、そのまわりにどれだけの大人がいるかを、知ってもらいたいのである。どれだけの人間が、一つのことを実行するために動いているかを知った時、本当の意味でボランティア活動がはじまるのではないだろうか。
高校生という多感な時代。すべて金銭などで解決されようとしている時代に、今ここに、たくさんの大人たちが、何の見かえりもなく活動している。その姿を直接、高校生に見せられたこと、それはスタッフすべての喜びとするところであろう。
巣立つ鳥たちに願う。一羽でも、又戻ってきて欲しい。そして、まだ巣に残るヒナたちを見てほしいのだ。大人たちは、来年にむけてもう活動を開始した。よりよいものを更に作りあげるために。私達の心の支えば、子どもたちと高校生.と、十泊十一日共に作りあげた思い出であり、そして、手もとにあるたくさんの感想文だ。全部を紹介したいところだが、とても紙面が許さないので、その中から、一編高校生のものをとりあげよう。そして、この論を終えたいと思う。
サマースクールに参加して
「はじめに子どもたちと一緒に、五泊六日もやっていけるかと、不安でしょうがなかったのが本音です。でも、はじまってしまうと、あっという間に、時間、日が過ぎていった。実際子どもたちは、とっても素直でかわいくて別れるのがつらいくらいです。子どもから学びとったことは、もういっぱいあります。感動しつぱなしの六日間でした。この研修に参加して本当によかったと思っています。一日目は名前を覚える。意外に覚えることができた。二日目、川で遊ぶ。ここらへんで子ども一人一し人の性格などがわかってきた。三日目、山登り。ハードだった。子どもだちも何人か気分の悪い子も出てきたが、無事下山できてホッとしました。夕方からキャンプ。このキャンプも、とても楽しく子どもたちも喜んでいたので、すっごくうれしかったです。四日目は、午前中テニス、午後ウォーク・ラリーの下見。五日目、ウォーク・ラリー充実していました。本当にそう思います。もっと体力があったら、山登りに行きたい子もいて、行かしてあげたかったゆいろんな思いをためて、これからの生活にいかして行きたいと思います。先生方も、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました」(N高R・N)

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