暁烏敏賞 平成7年第1部門梗概「「理性」の<深み>へ 合理・王義と教養教育」

ページ番号1002613  更新日 2022年2月15日

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写真:暁烏敏像

第11回暁烏敏賞入選論文梗概

第1部門:【哲学・思想に関する論文】

  • 論文題名 「『理性』の<深み>へ 合理主義と教養教育」
  • 氏名 青木 英実
  • 年齢 41歳
  • 住所 福岡県北九州市在住
  • 職業 大学助教授

論文概要

元来近代的理性は科学と一体のものととらえられていた。本論文では科学的合理主義の限界を確かめ、人間「理性」とは実は広汎で多様な、生きた「教養」なのだと主張する。

「理性」の語源ラティオ、ローゴスの観念は、言葉を用いて語り推論し論証するという意味内容をもつ。この観念は、アリストテレスにおいて、観想的・理論的理性と、実践的・弁証的理性として二元的に示された。前者は科学的理性の伝統へつながり、後者は感情的な訴えを含め、人を説得する論拠の発見と探求およびそのセンスの形成に、つまり人文的理性の伝統へとつながる。しかし、近代以降は科学的論理的理性が優勢となり、人間理性のモデルと見なされるようになる。

科学的・論理的理性とはすなわち、論理学や科学論理に代表されるような、命題化され明示化された規則に従って、厳格に思考・推論や行為を導くものである。このような考え方は教育において「批判的思考」や「科学的思考」を推奨する立場にも現れている。

また、科学の方法論的基礎に立ち返るならば、実は科学は合理的な論証を超えたものであることが明らかになる。つまり科学的理性も−科学的合理主義者が信じているのとは異なって−、伝統のなかで非明示的に学ばれ、個人の主体的なコミットメント(感情の関与、決断や義務の引き受け)なくしては成り立ちえない。ここに「教養」こそ理性の存処だとする論拠がある。そして生きた教養は多様な文化の内容に沈潜すること、師弟など、人と人との絶え間ない接触、そして模倣によってはじめて可能になると考える。

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