暁烏敏賞 平成14年第2部門梗概「心に翼が生えるまで 不登校生徒への実践的対応」

ページ番号1002575  更新日 2022年2月15日

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写真:暁烏敏像

第18回暁烏敏賞入選論文梗概

第2部門:【青少年の健全育成に関する論文または実践記録・提言】

写真:覚華鏡

  • 論文題名 「心に翼が生えるまで」
  • 氏名 加藤 宣彦
  • 住所 東京都
  • 職業 武蔵国際総合学園校長

論文概要

著者の勤務する高校は、中学校時代に不登校だった生徒を積極的に受け入れているので、全校生徒300名の約70%が、いじめや不登校を体験してきている。

これまでの10年間、著者は校長として、またスクール・カウンセラーとして彼らと共に泣き共に笑いながら向き合って来た実践を整理して発表することで、今もなお、もがき苦しんでいる不登校の子どもたちや、その父母、そして、彼らへの対応に戸惑っている学校の先生方に、少しでも参考になればと筆をとった。

不登校問題についての研究は数多くある。しかし、そのほとんどは、なぜ、不登校になったのか、その背景をさぐることから対応策を考えることが多い。

しかし、著者は、まず、あるがままの子どもたちの「今」を受け入れ、その子の状況をゆっくり観察しながら、新しい「自分づくり」をサポートすることが遠くて近い解決方法だと提言したい。

そのために、著者は、カウンセリングの中での子どもたちの証言をもとに、不登校の経過を、(1)潜伏期、(2)初期、(3)進行期、(4)安定期、(5)自立期の五つに分け、それぞれの時期に即した、適切な対応策を、「家庭」と「学校」の立場からまとめてみた。

とくに、子どもたちが挫折しかかる潜伏期に、彼らが発する心のサインに早く気づくこと、家庭内暴力などが生じる進行期には、ただ、優しさだけでなく、凛とした対応も必要なこと等、子どもたちの実体験からの話が役立った。

そして、子どもたちの再起は、周囲の説得よりは、彼ら自身の胎動から始まる。

彼らの心に翼が生えるまで、私たちおとながどう支援してやれるのか、言い換えれば、おとなが、学校が、社会が、どう変わるべきかをこれからも考えていきたい。

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