暁烏敏賞 平成8年第2部門梗概「子どもと居場所 不登校児への援助を通して」

ページ番号1002609  更新日 2022年2月15日

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写真:暁烏敏像

平成8年第2部門梗概

第2部門:【青少年の健全育成に関する論文または実践記録・提言】

  • 論文題名 「『子どもと居場所』 不登校児への援助を通して」
  • 氏名 本間 友巳
  • 年齢 42歳
  • 住所 石川県金沢市在住
  • 職業 臨床心理士

論文概要

人は常に関係の中で生きていく存在であり、対象との関係を抜きにして、人は社会的存在となることはできない。換言すれば、他者やモノを含む関係の場の中でのみ、人は人らしく生きられるのである。

殊に、子供たちは彼らを取り囲む場である家庭、地域、学校の影響を強く受けながら成長・発達を遂げていく。

このように子供たちの成長・発達に決定的なまでの大きな影響を与える場を「居場所」と据え、現代に生きる子供たちの居場所の現状や問題点や意味を、具体的な事例や不登校児への居場所づくりの実践を通して明らかにする。

子供たちにとってもっとも強い影響を与えるはずの地域や学校が、居場所として機能しにくい現代の状況についても言及し、また、不登校問題を取り上げ、この問題の本質が居場所の喪失であり、居場所の喪失によって様々な問題行動や症状を呈し、自立への道が閉ざされてしまう子供たちの現状を指摘した。

さらに、不登校児への居場所づくりの実践に基づいて、居場所づくりの諸原則があり、これらの原則−「安全と自由の保証」「自己決定の尊重」「試行錯誤の受容」「個別援助の重視」−に支えられた居場所の中で、自発的な仲間集団を形成し再び自立に向かっていく子供の姿を不登校の事例を通して素描している。

そして、このような居場所づくりが、効率や向上や前進を重視する従来の社会や教育を支えていた価値の見直しを意味しており、軽視されてきた休息や退行やゆとりなどを射程に入れた、新しい価値の創造を企図するものであることを指摘したい。

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