暁烏敏賞 平成12年第1部門梗概「連帯する市民 21世紀の創造と生産の現場」

ページ番号1002584  更新日 2022年2月15日

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写真:暁烏敏像

第16回暁烏敏賞入選論文梗概

第1部門:【哲学・思想に関する論文】

  • 論文題名 「連帯する市民 21世紀の創造と生産の現場」
  • 氏名 小平 慎一
  • 年齢 45歳
  • 住所 神奈川県横浜市在住
  • 職業 フリーランスライター

論文概要

日本では、「市民社会」が未成熟であるといわれているが、市民社会が成熟しているといれている欧米と比較して、どの部分が未成熟であるのか、また、日本に「市民社会」を形成する過程はどうあるべきなのかを考えたい。

今日の日本では多くの人が学び、生涯学習の体制も整い、「知」を得るための制度の充実が図られ、また経済や技術の面においても格段の進歩をみることができるが、これらは「市民社会」の成熟に対して十分な役割を果たしていないように思われる。

近年顕著にみられる、青少年犯罪の凶悪化、猟奇化という現象に対しても、「知」の一般化や経済、技術の進歩は無力であり、それらを享有しているはずの大人たちは、マスコミ的な関心以外を示していないという現実がみられる。150年前に、西欧よりもたらされた「知」の導入過程、とりわけその中心であった大学で直面している「知」の硬直化の問題も指摘されうる。

「市民社会」を形成する方法として、「連帯する市民」が「知」を取り込むことによって可能であることを提言したい。これは、「地域の時代」という考え方とも連動するものであり、超高齢社会を迎えるために必要な制度の確立をも意味するものである。

今日普通であると考えられている社会とは、老人や障害のある人を排除したものであり、それがいかに不健全な社会であるかは明らかである。

連帯する市民の健全な社会とは、これらの人たちと共にある社会であり、それができない超高齢社会とは、悲しい人類の末路であるといわなければならない。新しい21世紀は市民の連帯によって開けてくるものである。

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