暁烏敏賞 平成10年第1部門梗概「自由と主体性を求めて」

ページ番号1002593  更新日 2022年2月15日

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第14回暁烏敏賞入選論文梗概

第1部門:【哲学・思想に関する論文】

  • 論文題名 「自由と主体性を求めて」
  • 氏名 山竹 伸二
  • 年齢 33歳
  • 住所 東京都武蔵野市在住
  • 職業 会社員

論文概要

現代社会は社会規範の確かな根拠が失われた時代である。それは社会的拘束力の弱まった証なのだが、決して自由な社会になったわけではない。社会規範の根拠が失われたために、現代人は自分の行為の規範を持てなくなり、そのため衝動的な欲望を抑制できず、他者の言動にされることが多くなった。つまり、自由とはほど遠い精神状況になったのである。自分の内的な規範に準じて行為を選択できること、そこに十分な納得が生じていること、それが自由の実感を得るための条件であるはずだ。だとすれば、確かな社会規範を建て直すことで、他者と共通に了解できる規範を共有し、自分の意志で行為を選択するための基準(内的規範)を持てるようにする必要があるのである。

本論では、まず衝動的欲望、感情をコントロールできない人が増えていること、現代人が主体性と自由を感じられなくなっていることを示し、それは社会規範の根拠が失われたためであることを説明する。次に何故、社会規範の根拠が失われてしまったのかを、近代史を振り返りながら明らかにし、近代の理想が崩れ、ポストモダン的な考え方が広まった経緯を解説している。そして、人間の内的規範がどのように形成されるのか、またその特質はどのようなものかを、精神分析学を中心に分析する。ここまでは、基本的には構造主義的な分析が主となっており、社会規範、内的規範の構造を詳細に見ることで、その必要性を明らかにすることが主要な目的である。

後半の中心課題は、社会規範をどのように立て直せばいいのか、その可能性を提示することである。ここでは欲望の本質を実存論的に捉え直すことによって、私たちの欲望に見合った社会規範の必要性を強調し、現象学的な方法による実践的可能性を示したいと思う。現代人が主体的な行為の選択ができなくなり、自由を感じられなくなっている背景には、行為の基準が分からない、という不安がある。そのことを様々な側面から分析し、今後の可能性を提示することが本論の主旨である。

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