暁烏敏賞 平成18年第1部門梗概「更生の仏道」

ページ番号1002557  更新日 2022年2月15日

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第22回暁烏敏賞入選論文

第1部門:【哲学・思想に関する論文】

写真:火焔様式楽人像

  • 論文題名 更生の仏道
  • 氏名 後藤 靖英
  • 住所 京都府京都市北区在住
  • 職業 大谷大学文学部 4回生

論文概要

仏教の浄土教における救いである往生とは、念仏によって死後に浄土に生まれ、そこで覚りを開くというのが一般的であるし、そのように理解されてきた。しかし、浄土教の伝統にのっとりながら、その伝統的思想を再解釈することによって、浄土真宗という仏道を顕かにした親鸞は、そのような死後往生の思想を方便の教えであるとし、真実の意味での往生、すなわち、浄土教における往生の真意とは、信心を獲ることによって、この現在生きている間において、無上涅槃という真実に目覚め、その真実を拠り所として生きていく者となるということであるとした。同じ浄土教の伝統の上にありながら、なぜこのような往生理解の違いが生れてきたのか。そこには、同じ浄土教の伝統の上にありながら、その信仰における自覚的な深まりの違いがあるのである。

親鸞自身はその往生理解の変革がどのようにして起こったのかということを、自覚的体験として語らなかったため、この論考では、それと同質の変革を自覚的体験として語っていると考えられる、暁烏敏の更正という宗教体験に基づいてそれを考察し、最終的に親鸞の信仰的自覚と暁烏敏の信仰的自覚が同質のものであるということによって、親鸞の往生理解の変革がどのようにして起こり、どのような内容を持つものであるかを論証する。

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