暁烏敏賞 平成21年第2部門梗概「深く考え、思いを伝えあう場をつくるために 哲学的議論を通じたコミュニケーションの試み」

ページ番号1002537  更新日 2022年2月15日

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第25回暁烏敏賞入選論文

第2部門:【次代を担う子どもの育成に関する論文または実践記録】

写真:覚華鏡

  • 論文題名 深く考え、思いを伝えあう場をつくるために 哲学的議論を通じたコミュニケーションの試み
  • 著者 ※3名共著による
    • 東京都国分寺市在住 村瀬 智之
      千葉大学大学院 人文社会科学研究科博士課程1年
    • 東京都東久留米市在住 土屋 陽介
      日本大学文理学部 人文科学研究所研究員
    • 千葉県柏市在住 山田 圭一
      中央学院大学非常勤講師

論文概要

本論文(「深く考え、思いを伝えあう場をつくるために」)は、中学生に向けて行われた「哲学」の授業の実践報告である。

深く考え、思いを表現して伝えあうことを子どもたちに学んでもらう。この目的を掲げ授業は行われた。

子どもたちのコミュニケーションのあり方が少しずつ変化している。それもあまり良くない方向に変わってきている。子どもたち同士のコミュニケーションで使われる言葉が豊かではない。そう感じている教師は多いだろう。

一年間行われた「哲学」の授業は、子どもたちのあいだで、たしかなコミュニケーションが行われることを目指し、多くの哲学的題材を用いて行われた。子どもたちが求められたのは、「自分の意見には必ず理由をつけること」や「具体例を挙げて考えること」といった基本的なことから、子どもたち同士での議論といった、子どもたちが慣れていない難しい課題までさまざまであった。

題材としてとりあげられたテーマの多くは、哲学的な問題である。それは抽象的で難しい。しかし、その抽象的課題に対して、教師側がはじめに抱いていた数々の不安は、子どもたちの驚くべき洞察力と積極性を前にして吹き飛んだ。子どもたちは多くの課題に積極的に取り組み、他の子どもとの議論を大いに楽しんだ。意見の違いを拒否するのではなく、柔らく受容し、それをも楽しむ。相手の理を認め、相手からも認められる。そんなしなやかでたくましいコミュニケーションの場が生まれた。
授業はもちろん「きっかけ」に過ぎない。しかし、子どもたちが体験したことは、異質な他者たちと共に人生を歩く彼らの中で、地中に深くもぐった「根っこ」のように、じわじわと、しかし、しっかりと生きてくる。われわれはそう願ってやまない。

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