朝日小(感性のびのび 心があたたまる話集)
第一話 うまい、うまい、うまーい!
「おーい。」
学校の帰り道、もうすぐ家だというときに、お母さんがむかえに来ました。
「おーい。」
とさけんでいたので、急いでお母さんのところにかけよりました。
すると、この間、弟が本を見ていて
「お母さん、今度どら焼き作ってよ。」
と言っていたので、
「今日、どら焼き作ったよ。」
と言いました。ぼくは、アレルギーがあるので、卵は食べられません。ふつう、どら焼きには卵を入れてあるのに、どうやって作ったのかなと不思議に思いました。
家に帰って、手を洗っておやつの時間です。出てきたどら焼きは、こんがりとこげのにおいでいっぱいです。お母さんに、
「どうやって作ったん。」
と聞くと、お母さんは、
「きじは、米粉で作ったんやよ。中にたくさん、豆乳が入っとるんやよ。」
と言っていました。ぼくは、どら焼きにかじりつきました。とのとたん、口から一言いってしまいました。
「うっめー。」
お母さんは、それを聞いて、
「うまいやろー。」
と言ってきました。
どら焼きを作るのに二時間ぐらいかかったそうです。その中でも、きじを作るのはすぐできるけれど、あんこに一時間半くらいかかったと言っていました。食べながら、ぼくは、ドラえもんといっしょに食べているのを想像しました。ぼくが、
「もう一枚ある?」
と聞くと、おかあさんが、
「もうちよっと早く帰って来たら、二枚よかったけど、おそいから、また明日ね。」
と言いました。時計を見るとなるほど、もう五時半になっていました。お母さんの作ったどら焼きは、本当においしくって、つい、明日のおやつのことを思ってしまいました。
第二話 私の大切なおばあちゃん
私には、中田ばあちゃんというばあちゃんがいます。でも中田ばあちゃんは、本当のばあちゃんではありません。だけど私のことを何より大切に、かわいがってくれる大切な存在です。
中田ばあちゃんは、私が社宅に住んでいたころ、となりの家に住んでいました。私が赤ちゃんのころから、孫のように思ってくれています。たまにばあちゃんの家を訪ねると、とてもうれしい様子でお茶やおかしをたくさん出してくれたり、いろいろな話をしてくれたり、おがんでくれたりします。足が悪いのに外まで見送ってくれたり、帰ってから電話をくれたこともありました。
私が十一才、中田ばあちゃんが九十三才になった今でも、変わらずに大切に想ってくれています。
最近は、あまり会えないけれど、手紙を送ると優しい想いがたくさんたくさんつまった返事が返ってきます。私は、こんな大切に想ってくれる優しい中田ばあちゃんに出会えて、本当によかったと思います。そして、いつまでも中田ばあちゃんを大切にしていきます。『私は、これからも成長してゆくけれど、中田ばあちゃんをずっと想い続けます。見守っていてね。本当にありがとう。』
中田ばあちゃんの葉書より
みやさん やさしいお便り大変うれしかったです。有難うね。
もう二年生になられたってお目出度うございます。
字も上手絵も上手でカンシンしています。
お父様お母様そしてお兄ちゃんもそろってお元気なのでしょうね。
八重桜が満開で(用水の向うの遊歩道)楽しんでいます。
樹木公園で新緑を眺めたいのですが、年毎に足の都合が悪くて
年令が年令九十才でどうにか自分の事だけ出来るので有難いと思っています。
身体に気をつけて勉強にいそしんでくださいね。
みやちゃん お便りほんとうに有難う お便りいただいて元気が出ました。
ハガキはどなた様にかお願いするので、お手許にとどくのがオソイカモ御免ネ。
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