鶴来中(感性のびのび 心があたたまる話集)

ページ番号1002134  更新日 2022年2月8日

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第一話 「本音とプライド」

私達は、ケンカをしました。ずっと仲がよかったその子とは、二年生になってクラスが分かれました。それでも最初の頃は話しをしたりしていましたが、そのうちにだんだん顔を見ることすらなくなっていきました。その子は明るい性格だったので、すぐに親しい子ができて、毎日とても楽しそうでした。私はきっとその子にしっとしていたんだと思います。心の中で、どれだけ「あんなヤツなんかじゃなくても・・・」とその子を責めても、周りの子の前では悪口は言いませんでした。言えなかったのです。本当はその子を心から信頼していたからこそ,ほかの子の前でその子を悪者にしたくなかったのです。
心の中とプライドのギャップに、長い間悩みました。すごく辛かったです。でも、偶然その子の筆箱を見たとき、私が仲良しだった頃にあげたストラップがしっかりついていました。
私は涙が流れてきて、すぐにその子にあやまりました。

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第二話 「自転車のおばあちゃん」

少し前、中学校の近くに熊が出現し、友達と集団になって家に帰る日がありました。
僕は四人の友達と一緒に自転車で、細い通学路を一列になり走っていました。僕が一番後ろを走っている時、突然、前の人の自転車が止まりました。僕は急ブレーキを踏み、前の自転車に軽くぶつかりました。その時、僕は少し混乱してしまいましたが、何があったかはすぐわかりました。一番前の人が自転車に乗ったおばあちゃんとぶつかったのです。
おばあちゃんは、畑に転がり落ちてしまいましたが、元気なようだったのでホッとしました。その時は夕日が沈んだ後だったので暗く、先頭の人は気づかなかったそうです。
皆でおばあちゃんを畑から助け出し、僕たちが謝るとおばあちゃんは「ありがとう。」と御礼を言われました。僕はびっくりしました。僕が返ってくるだろうと思っていた言葉は、「これからは気をつけてね。」だったのです。
おばあちゃんは、中学校の方向へと自転車を押していこうとしたので、「鶴来中学校の近くで熊が出たので気をつけてください。」と、僕が言うと、「本当にありがとう。」と言い、おばあちゃんは自転車を押していきました。
僕はおばあちゃんがなぜ「ありがとう。」と言ったのかを今考えると、僕たちの行動についてのことだったのかと思います。僕は自然とそのような行動ができたことを誇りに思います。そして、おばあちゃんが「ありがとう。」と言った声を忘れることはありません。

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第三話 「とまどい」

私は、ある日、妹とソフトクリームを買うためにT店へ行きました。T店につくと、T店の人と近所のおばさんが何かしていました。「何しとるんかなあ」と妹に言うと、「さあ」と軽く答えました。とにかくソフトクリームを買おうと思ったのですが、気になったのでしばらく見ていると、ボウルと炊飯器の釜がくっついて、それを離そうとしている様子だとわかりました。
「手伝いますか?」と言おうか、「どうしたんですか?」と言おうか、それともこのまま無視するか・・・・。でも、無視するのはいけないと思い、戸惑いながらも「どうしたんですか?手伝いましょうか?」と言いました。すると、「ありがとう。」とおばさんが言いました。いっしょにお店の人の持っている反対側を力づくで引っぱると少し動いたので、ぐいっとひねりました。「ポン」と音がして、ボウルと炊飯器が離れました。近所のおばさんが「ありがとうね」と言って、何か包みを持ってきて私にくれました。私は戸惑いながら「ありがとうございます・・・。」と言いました。中身はお菓子でした。
別れ際におばさんは「本当にありがとう。」と言ってくれました。
自分で思い返してみると、戸惑っていたのが馬鹿みたいに思えてきました。いいことをすると、いいことがそのまま返ってくると言うことがわかりました。

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