光野中(感性のびのび 心があたたまる話集)

ページ番号1002139  更新日 2022年2月8日

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第一話

光野中学校は自問清掃に取り組んで三年目になります。黙想から始まって、静かに取り組む十五分間。先生も生徒の成長を信じて、指示・命令することもありません。生徒は「自問ノート」に気づいたこと、感じたことを記録しますが、先生は生徒をほめるようなコメントを書きません。生徒の内発的な力の成長を待っているのです。

二年前の冬でした。雑巾を棚の中にしまっている生徒がいました。後でわかったのですが、毎日の雑巾がけで自分の雑巾が黒く汚れていくことに自分の成長を重ね、彼は喜びを感じていたのです。そうなるとその雑巾がとても大切な物に思われてきて、大切に保管したくなったということでした。

今日は過去の自問ノートの中から、雑巾にまつわる「ちょっといい話」をいくつか紹介したいと思います。

  • 雑巾がけっこう黒くなってきた。一、二年の時に比べて、今の雑巾の汚れと一、二年の時の汚れはだいぶ違う。今のぞうきんはけっこう汚れている。成長できたかなぁと思う。
  • 後ろのすみをやった。今日もがんばれた。チョークの汚れがひどかったのであまり時間がなかった。ぞうきんに初の穴があきました。けっこうがんばったなぁと思いました。よかったです。
  • めっちゃつかれたー。掃除の時間に汗をかくまで一生懸命掃除したのは久しぶりだった。終わった後、雑巾は真っ黒で、ホコリで白かった床が白くなくなったのでとてもよかった。
  • ・・・今日はけっこうゴミを見つけて掃除することができた。穴のあいたぞうきんが教室に一枚あった。みんな一生懸命やって穴を開けたんだなぁと思った。だからちゃんとみんなそうじをやっているということがこころにすごく残った。次はちゃんと黙想もできるようにしていって、自分の目標をやりきらないといけない!
  • 今日は、後ろの方がホコリが多く、前の方はゴミが少なかった。久しぶりにあんなホコリを見た気がした。ぞうきんは、いつも使っている方がうすくなってきた。こうやって変化が見られるのはいいなあと思った。今度は穴をあけるまでやりたい。

雑巾以外にも自分の成長を気づかせてくれるものがあります。

  • ビックリしました。何気なくいつものように壁を拭いていたらタイルに自分の姿が映ったんです。「えっ!?」と思ってあわてて洗面所を見たらタイルに洗面所まで映るようになっていて「いつの間にか、こんなにもキレイになっていたんだ!」と思わず感動しちゃいました。
  • 今日の給食は、タケノコのそぼろ丼だった。すごくおいしかった。だけど、そのそぼろとかが教室に落ちていて、教室が汚れていて、最初はふこうかふかないかかなりかなり迷っていたけど、誰かが必ず嫌な思いをすると思ってふいた。一年の時だったらほったらかしのままだったはずだけど、一年間自問して、はじめて成長したなと思った。

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第二話 【子育てを振り返って】(教育講演会の感想の中から)

うちは共稼ぎで、小学校まではじいちゃんばあちゃんに育てられているようなものでした。
保育園の送り迎えを一手に引き受け、親が買って山と積んであった絵本があれば、毎日読み聞かせしていたじいちゃん。平日の台所を一手に引き受けて、毎食手作りの食事を作ったばあちゃん。その間、孫との間に交わされる愛情のこもった会話がどれだけあったことでしょう。
思い出すのはあの子たちの小学校時代の朝食の時間のことです。テレビからは、毎日毎日やれ殺人だ、やれお役人や政治家の不正だ、そして大惨事だの不景気だのといった内容がたれ流されるわけで、子供たちはその毒に当たりながら毎朝がスタートしていたわけです。

あの頃は気づかなかったことを今思います。あの子たちはいろんな毒に当たりながら、曲がりなりにもここまで育ってました。それはじいちゃんばあちゃんからの心のお薬のおかげです。感謝しています。ほんとにありがとう。

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