鳥越小(感性のびのび 心があたたまる話集)

ページ番号1002142  更新日 2022年2月8日

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第一話 本校の子ども達とバスの運転手さんとの交流

「ピンポーン」と放課後に玄関のチャイムがなり、「加賀白山バスです。」というインターホンの声が聞こえると、本校職員は、恐縮して玄関に急いで向かいます。バスの運転手さんが、バスを降りてわざわざ子どもの忘れ物を届けてくれる瞬間です。本校では、八割以上の子ども達が路線バスを利用して通学しています。バスの運行は三系統あり、広瀬から学校までのルートと河原山から学校までのルートは加賀白山バスが、阿手から別宮を経由し学校まではコミュニティバスが運行しています。学校でもバスの中に忘れ物をしないよう指導していますが、体育袋や水筒から眼鏡ケースなどの小物に至るまで、時折バスの中に忘れ物をする子どもがいるのです。運転手さんは、すぐに届けないと学校や家に帰ってから困るだろうと思って、わざわざバスを止めて親切に学校へ届けてくれます。聞いてみると、多い学年では三分の一ほどの子ども達が忘れ物を届けてもらった経験があると答えています。
バスの中で運転手さんは気軽に子ども達に声をかけてくれます。「今日学校でいいことあったか?」とか、「寒くなったけどがんばって学校にいかんなんよ。」というような一声や励ましの言葉が子ども達にとってはうれしいようです。運転手さん以外にも、地域のお年寄りの方とのあたたかい交流もあるようです。特に、低学年は、バスの中でおじいちゃんやおばあちゃんから声をかけてもらったことをうれしそうに学級担任に話します。バスを降りる時、子ども達は、「ありがとう。」と運転手さんに挨拶してバスを降りますが、それに対して、運転手さんは笑顔で「さよなら。」と応えてくれて、低学年とは握手して別れることもあるようです。
また、登下校のバスの中は、子ども達にとって、マナー習得や安全教育実践の場ともなっているようです。「ドアの付近で立ち止まらないで奥の方につめるように。」とか「小さい子に席をゆずって。」「席がないときはきちんと手すりにつかまって。」などの指導を受けています。もちろん、乗車マナーが守られていないときはきちんと注意してくれます。学校としては、さぞかしご迷惑をかけているのではと心配して、時折バス会社に電話して、お困りの点はありませんかと伺うのですが、「上級生が下級生に注意してくれてます。」というあたたかいお言葉が返ってきます。もちろん、放課後の開放感の中で、ルールやマナーが守れないことも多いと思いますが、バスの運転手さんの暖かいご指導で、本校の子ども達も日々成長していると感じています。

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第二話 縦割り班活動から日々の異学年交流へ

本校の子ども達は、学年を超えて本当に仲良く遊びます。一学年二十五〜三十人の小規模な学校であり、しかも、ほとんどの子ども達が鳥越保育所から一緒なので、子ども同士が、学年を超えてお互いをよく知っていて、こちらがびっくりするほど仲がよいです。年によって少し状況は違いますが、体育館が使えない長休みは、ほとんどの一年生が集団で六年教室に遊びに行き、六年生に遊んでもらいます。昼休みには、六年生が一年生を肩車やおんぶして校内を回ったりする姿もよく見かけます。
一緒に遊ぶだけでなく、高学年の子が低学年の子のお世話をする場面もよく見かけます。先日も、長休みに保健室で五年生の男子児童が、なれない手つきで一生懸命ズボンの破れを縫っていたので、どうしたのかと尋ねると、「三年生の子が、ズボンが破れて困っているので縫ってあげている。」とのことでした。決して上手には縫っていませんでしたが、一生懸命な姿が微笑ましく感じました。朝、登校時に校門に立っていると、バスを降りてから一年生の手を引いて児童玄関まで連れてくる六年生の姿を多く見かけます。一年生の子が、けがをして車いすに乗っている時に、こちらがお願いしていないのに休み時間毎にトイレへの移動のお手伝いをしてくれるのも六年生です。すこしお節介かなと思う場面も有りますが、とにかく、高学年が低学年の面倒をよく見てくれます。
どの小学校でも行われるように、本校でも、「縦割り給食」「縦割り清掃」「縦割り遊び」などの縦割り班活動が盛んですが、縦割り班活動を超えての日々の異学年の自然な交流、そして高学年が低学年の面倒を見ることが本校では当たり前の伝統になっているように思います。おそらく高学年も低学年の時に、お兄ちゃん・お姉ちゃんに面倒を見てもらってきたのだと思います。本校の微笑ましい伝統として今後も大切に育んでいけたらと考えています。

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