笠間中(感性のびのび 心があたたまる話集)

ページ番号1002136  更新日 2022年2月8日

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第一話 雨の日のカッパ

私はある日、友達のユミとミナと一緒に近くの大学の文化祭に行きました。待ち合わせをしたのですが、なかなか揃わなくてしばらく待っていました。三人が揃ったときには、雨が少し降っていました。だから、急いで文化祭に行きました。大学に到着したときには、雨脚が大分強くなっていました。出店や屋台もほとんど片づけられていたので、ミナの家で遊ぶことになりました。楽しくてあっという間に帰らなければならない時間になりました。ふと外を見ると、暗くなり雨はどしゃぶりとなっていました。
迎えに来たユミの母さんから、「車に乗せていこうか?」と聞かれました。だけど、私は自転車だったので、どうしようかと迷っていました。すると、その様子を見ていたミナの母さんが、「大丈夫?ちょっと待っていて。カッパを貸すね。」と言ってくれました。何だか申し訳なく思いましたが、「ご迷惑をかけてすみません。」と返事をしました。ミナの母さんは気にしないで、というように直ぐに真新しいカッパを出してくれました。少し大きかったけれども、おかげで、全身雨に当たらずに、帰宅することができました。
後日、「ありがとう」と言って返しました。外は雨で冷たかったけれども、二人の友達の母さんのおかげで、とても心が温かくなりました。

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第二話 おばあちゃんの花

本校は真冬と早春を除いて生花が途絶えることはありません。校舎内では正面玄関や職員室前、あるいは廊下にはいつも生花が飾ってあります。それにはわけがあります。
ある月曜日の早朝に、ふと玄関先を見ると、バケツにたくさんの生花が入れて置いてありました。状況がよく分からないので、周りの人に聞いてみました。すると、「隣のおばあちゃんや」という返事が返ってきました。
学校の隣にはYさんとおっしゃるおばあちゃんが住んでいらっしゃいます。時間を見つけては、毎日、朝に夕べに外に出て野良仕事をしておいでます。仕事の内容は畑仕事が多いようです。家の周りに広がる畑は、子どもを育てるかのように、愛情が注ぎこまれています。手が入れられ、整備された畑には、時節時節の野菜が育ち、花が咲きほこっています。
Yおばあちゃんは、決まって日曜日に手塩にかけた花を切り取り、それを月曜日にさりげなく学校の玄関先に置いていかれたのでした。もう何年も何十年もの間、人知れずに当たり前のように続けておられました。
学校では最近になり美術部に花器を焼いてもらい、各クラスの美化委員がその花器におばあちゃんの花を生けています。丹精込めた手作りのプレゼントに、感謝の気持ちを込めてお返しをしていきたいと思います。

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