紙本墨書 千代尼肖像自画賛

ページ番号1009251  更新日 2022年12月28日

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白山市指定有形文化財 書跡
紙本墨書 千代尼肖像自画賛(しほんぼくしょ ちよにしょうぞうじがさん)

〔所在地〕白山市内
〔所有者〕個人
〔員数〕一幅
〔形状〕竪幅
〔寸法〕縦97cm、横26cm
〔指定日〕昭和50年3月6日

自画賛写真

千代尼(千代女)の剃髪時期が宝暦4年(1754)の52歳であったことは、同年10月に上梓された句集『木槿塚』(温故編)の中に彼女の句が「尼素園」の名義で初めて集録されていることなどから判明しています。
この自画賛は、それから19年後の71歳に作られたもので、彼女が亡くなる2年前の安永2年(1773)ということになります。
下辺には法衣をまとった自画像を配し、上辺には「この未熟な私が俗世を煩わしいなどと思い上がったことからではなく、古い言葉にもあるように、昼夜の分かちなく流れる水の如く、所行は無常であることに、わが身の心細さを感じて」剃髪に至った当時の心境と「髪を結う女性のたしなみを捨て、こたつに暖まりながら句作に専念しよう」という内容の剃髪吟を書き添えたものです。晩年にあたり再度自画賛で往時の心境をつづった貴重な作品です。

 内容は次のとおりです。

かゝるつたなき身の
世をうしと思ふには
あらてふるき言葉の
はしまことに昼夜を
なかるゝ水の
心ほそくそのまゝに

(印)髪を結ふ手の隙あけてこたつかな

千代尼素園七十一才(印)

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