紙本墨書 千代尼献上句控

ページ番号1009248  更新日 2022年12月28日

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白山市指定有形文化財 書跡
紙本墨書 千代尼献上句控(しほんぼくしょ ちよにけんじょうくひかえ)

〔所在地〕白山市内
〔所有者〕個人
〔員数〕一幅
〔形状〕横幀
〔寸法〕縦15cm、横60.2cm
〔指定日〕昭和50年3月6日

献上句控写真

江戸幕府第10代将軍に就任した徳川家治への祝賀のため、第11次朝鮮通信使が宝暦13年(1763)から翌14年にかけて来日しました。この施設の接待に関与していた加賀藩は、使節への贈答品として、千代尼(千代女)に対し、掛け軸6幅と扇15本に自選句を揮ごうし献上するよう命じました。この書跡は、その命により献上した自選句の控として、21の発句を新春から春夏秋冬の順に千代尼が書き残したものです。明和8年(1771)に上梓された千代尼句集『俳諧松の声』の序文で、高桑闌更が「その声や八島の外に響きもろこしの人にも伝へしとなむ類なきこの尼のほまれ」と書いているのは、この出来事を指しています。

 内容は次のとおりです。

(印)
福わらや塵さへけさのうつくしさ
よき事の眼にもあまるや花の春
鶴のあそひ雲井にかなふ初日哉
梅か香や鳥は寝させて夜もすから
鶯やこゑからすとも富士の雪
手折らるゝ花から見ては柳哉
吹け々々と花によくなし鳳巾
見てもとる人には逢す初桜
女子とし押てのほるや山さくら
竹の子やその日のうちに独たち
姫ゆりや明るい事をあちらむき
夕かほやものゝ隠れてうつくしき
唐崎の昼は涼しき雫哉
稲妻のすそをぬらすや水の上
朝かほや起したものは花も見す
名月や眼に置なから遠ありき
月見にも陰ほしかるや女子たち
初雁や山へくはれば野にたらす
百生やつるひと筋の心より
朝々の露にもはけす菊の花
降さしてまた幾所か初しくれ
 朝鮮人来朝御用上ル
 唐紙御懸物六幅
 あふき十五本
 宝暦十三未の
 八月書
 千代尼素園(印)

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