移住者の声Vol.5 内藤 広宣さん、内藤 紀子さん

ページ番号1002939  更新日 2022年2月9日

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関東から白山ろくへ。
豊かな自然に囲まれながら、日々ガラスと向き合う。

関東から白山市へIターン
白山ろく地域(吉野谷)在住
(2017年3月15日 取材)

写真:内藤夫婦

関東から白山ろくへ。
豊かな自然に囲まれながら、日々ガラスと向き合う。


内藤 広宣(ないとう・ひろのぶ)さん 東京都出身
内藤 紀子(ないとう・のりこ)さん 神奈川県出身

写真:ガラス作品1

  • 1990年 広宣さん:東京ガラス工芸研究所を卒業後、能登島のガラス工房に入社。
  • 1991年 紀子さん:武蔵野美術短大卒業後に、講座生として同ガラス工房に入る。二人が出会う。
  • 1993年 ガラス工房を退社し、白山市(旧吉野谷村)に移住して結婚。
    吉野工芸の里に『ガラス工房 蕾』をオープン。以降、創作活動の傍ら、国内外の様々な展覧会へ出品し入賞を果たす。
    また、工房ではガラス工芸の教室も開催しているほか、地元小学校の子どもたちの卒業制作にも携わる。

写真:ガラス工房蕾 看板

ガラス工芸の道に進もうと思ったきっかけは?

広宣さん(以下、広):10代後半か20代前半の頃、都内のデパートで開催されていたMARK PEISER(マーク・パイザー。アメリカのガラス工芸作家)のガラス展を見て、外から見るガラスの形や塊の中の形が面白いなと…。ガラスの色と形に心惹かれたんです。

紀子さん(以下、紀):短大の頃は絵の勉強をしていたんですけど、だんだんと立体をやってみたいと思うようになっていました。当時は手作りのガラスの器などが出始めた頃だったと思いますが、何かで「吹きガラス」という存在を知って、触れてみたいと思ったのがきっかけです。

能登島のガラス工房に入ろうと思ったのは?

広:僕が学んでいた「東京ガラス工芸研究所」の由水常雄先生に、能登島で一緒に仕事をしないかと誘っていただいたのがきっかけです。

紀:当時は研修を受け入れてくれるガラス工房が少ない状況でしたが、たまたま雑誌で能登島のガラス工房が受入れをしていることを見つけて、すぐに電話して…って感じでした。

工房を白山市で開く決め手になったのは?

広:独立する場所を二人で探していたところ、こういう場所(吉野工芸の里)があるということを知りました。しばらくして立ち寄ってみたところ、景色がすごく良かったので…。吹きガラスって、観光産業と結びつき易いという思いがあります。なので、ここなら観光にもいいところだなぁと思ったので決めました。

写真:木蓮の蕾
取材でお伺いした日は、工房「蕾」の前に木蓮の蕾が

実際に住んでみて(工房を構えて)の感想は?

紀:正直、工房のほうは順調というわけにはいきませんでした。いろいろ苦労もありましたし…。でも地元のおばあちゃんたちが、なんやかんやと声を掛けてくれたり、野菜を分けてくれたりと優しくて。周りの方に助けてもらいながら、少しずつ地域に溶け込んでいくことができました。特に子どもが産まれてからは、子どもを通じたお友達(ママ友)もできました。

あと、一番下の息子が高校生なんですけど、通学費用を一部補助してもらえる制度があるので助かっています。

イラスト:学校
白山ろく地域(河内・吉野谷・鳥越・尾口・白峰)に住む高校生の保護者に、
通学費等の一部を補助をしています!

写真:工房内

写真:窯
工房にある窯の説明をしてくださる紀子さん

お休みの日は何をされていますか?

広:趣味が仕事なので…ほとんど休みはありませんが、強いて言えばダラダラしています(笑)。でも、何をしていても、常に頭の中のどこかにはガラスのことがありますし、いったん窯に火を入れれば、サラリーマンのようなオン・オフの切り替えはありません。

紀:借りてきたDVDを観るくらいかな。ごくたまには、子どもと一緒に映画やランチに行ったりもしますけど…。あ、冬場ならスキーに行くこともありますね。

白山市の好きなもの・ことを教えてください。

広:食べ物ですね。地元の採れたての野菜が本当に美味しいです。お米も美味しいですよ。

紀:中宮地区から眺める川の風景が本当に綺麗で好きですね。癒されます。食べ物だったら、白峰地区にあるお店の「トチシュー(栃の実を使ったシュークリーム)」が好き。あと美味しいお豆腐や油揚げも多いですよね。息子の同級生に豆腐屋さんの息子さんがいるので、クロスカントリースキー大会の応援のときにその豆腐屋さんに寄り道して、油揚げを買ったりすることもあります(笑)

白山市の自然や文化は作品作りに影響を与えていますか?

広:うーん。移住してからすでに20年以上になるので、あまり感じませんが、多分少ずつ作品に表れているのだろうとは思います。

紀:あると思いますよ。時に作品制作に煮詰まることもあるんですが、そんな時、畑の草むしりをして無心になったり、ふらっと散歩に出て、花の蕾を見つけて、春が近づいているな~と待ち遠しく思ったり。そういった、ここで季節の移り変わりを感じることが、作品作りにいい影響を与えていると思います。

写真:ガラス作品2

写真:ガラス作品3
普段使いできそうな器や可愛らしいペーパーウェイトなど、さまざまな作品を制作されています

現在の活動、今後の目標について教えてください。

広:日本のクラフトデザインの中心的な展覧会である「日本クラフト展」に出品しています。あとは、デパートなどでも展示会を積極的に開催したいと思っています。僕のものづくりのコンセプトは「制作過程に責任のある、ものづくり」なんです。長く使ってもらえるにはどうすればいいのかを模索しながら、今後も作品を作り続けていきたいです。あ、「責任のあるー」と言っても、絶対に割れないということではありませんよ(笑)

紀:これまで、作品は直に見て触ってほしいと思っていたので、ネット販売には躊躇していました。でも、同業の仲間の勧めもあって、つい最近始めたところ、遠い九州などからも注文が舞い込んで…こちらが危惧していた質感だとか色だとかっていう問題は杞憂に終わりました。これからはネット販売の充実など、販路を拡大していけたらいいなと思っています。でももちろん、実際にこの「吉野工芸の里」や工房に足を運んでいただいて、買っていただくのが一番嬉しいです。

あと、3人の息子のうち誰でもいいので、将来この工房を継いでくれたら嬉しいかな。ガラス以外の工房としてでもいいので…。でもまあ、本人たちの好きな道に進むのが一番なので強制はしませんけどね。

写真:息子さんと内藤夫妻
吉野工芸の里にある文化交流サロン「鶉荘(うずらそう)」で息子さんと

内藤さんご夫妻の作品はハンドメイドサイト「Creema」「minne」「iichi」で購入可能です。

(取材日:2017年3月15日)

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