コロンビア市からのレポート・パート4 Report from Columbia, USA
コロンビア市(米国)からのレポート 2020年9月6日
「コロンビア市の青空教室」
コロンビア市の青空教室
”Outdoor Learning and Play Areas”
コロンビア市公立学校(CPS)の青空教室(9月6日)
コロナウイルスによって教師と生徒たちの「日常」が崩壊する前から、コロンビア公立学校(Columbia Public Schools、以下CPS)のサイエンスオフィスは市内の学校と協力し、青空教室や遊び場を提供してきました。パンデミック(世界的流行)中は児童生徒たちが集まる方法として屋外がより安全であることから、コロナウイルス感染症拡大にいより、こうした屋外での学習スペースが学校に強く求められるようになりました。
研究によると、児童生徒に屋外で学ぶ機会を与えることは、感染症拡大防止だけでなく、以下の効果が期待されると言われています。
- 外の空気は屋内よりも新鮮でクリーンであり、常に循環されている。
- 青空教室では、児童生徒の集中力はより高まる。
- 青空教室では、児童生徒がより積極的に参加する。
- 刺激的な環境に入ることにより、児童生徒の創造力はより高まる。
- 野外活動により、児童生徒の問題行動が減る。
- ソーシャルディスタンスは校内より確保しやすくなる。
- 病原菌は紫外線に弱い。
- 新鮮な空気と日光は健康に良い。
可能な限り早く、より多くの学校に青空教室を提供するために、CPSサイエンスオフィスは地域と連携し、教職員、児童生徒、その保護者、地域のボランテイアといっしょに学び場を作り始めました。これらの学び場は、校内に学習スペースや遊び場を作ることに比べると非常に安いコストでできます。従来の校庭の遊び場造成の平均費用が約300万円であることに対して、屋外の教室作りは約25万円ほどです。青空教室は地元のボランテイアのおかげで、費用を安く抑えることができています。コロナウイルスによるパンデミック混乱はあったものの、この危機をきっかけに、コロナ収束後も児童生徒たちにとってメリットのある魅力ある青空教室や遊び場を提供できたことは、コロナ禍の一つの大きなプラスだと考えています。
※上記レポートの英語版は、下記の添付ファイルをご覧ください。
- 【写真左】自然の遊び場は地域にあるものを使用しています。倒木は遊具あるいはチップにして地面に敷いています。
- 【写真右】古い木製の電柱を支柱にしています。なかで、遊んだり、本を読んだりするクラブハウス
The nature areas use things found in the community such as fallen trees to climb on, old wire spools as tables,and ground up fallen trees as much.
自然に囲まれて勉強ができる青空教室
Outdoor classroom spaces allow groups to learn outside.
学校の庭を作るため、生徒、職員、ボランテイアがサイエンス・オフィスと連携して作業をしています。
Students, staff, and volunteers work with the science department to build school gardents.
創造力や好奇心を育む様々な要素を各所に配置しています。
Different elements to foster creativity and wonder and put in each Nature Play and Larning area.
【写真下】ワイヤーの巻き芯を再利用し、テーブルにしています。
Old wire spools are re-used as tables.
リポーター紹介 Reporter Introduction
マイケル・シドロスキさん
コロンビア公立学校(CPS)サイエンスコーデイネーター
マイケルさんは、コロンビア市の公立学校32校の小学1年生から高校3年生までの幅広い学年の理科(サイエンス)担当者です。同氏は、サイエンス教育の中で「地域に根差した教育(Place-Based Learning)」に重点を置いています。つまり、学校の教室で学ぶ同じ内容を生態的・文化的・経済的な視点から学ぶ教育です。つまり、身近に感じてもらえない情報を教えるより、その情報が実社会にどう適応されているか、日常の毎日の出来事にどうつながっているかを児童生徒に体験してもらうことを実践しています。
Mike Szydlowski
Science Coordinator
Columbia Public Schools
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