VOL3-はくさん男女共同参画応援プロジェクト

ページ番号1011271  更新日 2023年11月13日

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仲間と一緒に地域を守る

佐伯なぎささん(美川消防署)、高木望帆さん(鶴来消防署)

 佐伯さんと高木さんは、消防士として日々地域の暮らしを守っています。消防という特殊な仕事で頑張るお二人に話を聞きました。

消防士を目指したきっかけはなんですか?

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佐伯なぎささん(以下、佐伯さん)
 私の場合、父が消防士だったんですね。小学生の時に阪神大震災があり、救助支援に行った父が泥だらけで帰ってきた姿を見た時に、私も消防士になろうと思いました。その気持ちはずっと変わらなくて、高校3年生の時に採用試験を受けました。
 残念ながら、その時の結果は不合格だったわけですが、諦めきれなくて、それからも頑張って受け続けました。そうして採用されたのが5回目の挑戦の時です。白山野々市広域消防本部では初めての女性消防士でした。


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高木望帆さん(以下、高木さん)
 高校生の時に進路に悩んでいた時期があって、その時にちょうどユーチューブで女性消防士を特集したニュース動画を見まして、「うわあ、かっこいいなあ」となりました。私は、もともと医療系にも興味があって、「医療系にも進みたいし、消防士もやってみたい」となったんですね。
 それで、「救急救命士の資格を取って消防士になれば、両方できるじゃないか!」との思いに至り、救急救命士の資格を取って消防士になりました。まさにやりたいことにやりたいことを上乗せした感じです。


白山野々市消防で初めての女性消防士である佐伯さん。当時、戸惑ったことなどありますか?

佐伯さん
 自分がなりたくてなったので、女性だからと戸惑ったことはあまりなかったです。私が初めて採用試験を受けた当時は、市内の消防署には女性用のトイレやお風呂がありませんでした。それが、今では消防本部をはじめ、8つの消防署・分署のうち5施設で女性が勤務できる施設環境が整っています。組織的にも女性を受け入れる体制が出来上がってきていると思います。
 体力的な差というのはどうしてもあって、入りたての頃は「男性に負けたくない!」という気持ちもありました。でも、消防というのはチームで動く仕事なので、お互いにカバーし合っていければ、女性であっても現場に入っていけます。あくまでもチームとしてどう動くかが大切で、そういう意味では、困ったことはないですね。

新人の高木さんにお聞きします。初めての出動はどうでしたか?

高木さん
 採用になって最初の半年間は、消防学校で消防についての知識をみっちり学び、活動に必要な体力もつけます。それからようやく鶴来消防署に配属となりました。最初は火を消すポンプ隊だったので、出動の機会がすぐにというわけではありませんでした。
 救急車を支援する形で、出動したのが配属されてから半月後です。「やっと出れた!」という高ぶる気持ちと「うわあ、初めてだ!」という緊張とで、いっぱいになりながら出動したのを覚えています。現場に到着した時には、患者さんの状態も落ち着いていたので少しほっとしました。

24時間体制の消防署。ワーク・ライフ・バランスで心がけていることはありますか?

高木さん
 消防署の勤務体制には日中勤務と24時間交代の隔日勤務があります。私は、隔日勤務になるので24時間出勤して、次の24時間は非番となります。大変そうに思われますが、平日の日中を有効活用できるので隔日勤務の良さもありますね。
 こういう職場なので、私も含めて職場の同年代での「家庭では、できる人ができることをする」という意識は高い方だと思います。24時間勤務だと女性であっても全て家事をこなすのは難しいですし、「家事は女性の仕事だ」というのはないですね。私は、まだ結婚をしていないのですが、お互いにお互いの仕事のことを理解し合えるような関係になれればいいと思っています。


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佐伯さん
 
私も高木さんと同様に24時間交代の隔日勤務で、現在小学2年生と2歳の子供がいます。父が消防士ということもあって、家族も泊まりの仕事は分かっているので、夫をはじめ家族みんなが協力して子供たちを見てくれます。私は隔日勤務を希望してこの勤務に就いていますが、中には「子供が大きくなるまでは」と日中勤務を希望した女性もいます。
 どちらを選ぶかは本当に人それぞれで、私が選んだ隔日勤務は確かに泊まりがありますが、次の日はたっぷり子供に関わることができるので、私には合っているなと思っています。意外に思うかもしれませんが、男性がすべて隔日勤務だというわけでもなくて、男性でも日中勤務の方がいます。

消防士として心がけていることや目指していることはありますか?

佐伯さん
 例えば、現場では100kgを超えるような大柄な人を運ばなければいけない場面もあります。そんな時、今のチームであれば口に出さなくても、私は軽い下半身側を持ち、重い上半身側は男性が持つという動きが自然とできています。
 それぞれ得意・不得意があって違う個性を持っているので、最初は確かに戸惑うこともあります。でも、慣れればそれは大した問題ではなくなります。お互いに理解し合って、できることを出し合うことで、チームのパフォーマンスが上がります。そこが大切かなと思っています。
 よく「女性の働きやすい職場」という言葉を聞きますが、そうではなくて「女性」も「男性」も誰もが働きやすい職場にしていくことが重要だと考えています。

高木さん
 白山野々市消防で救急救命士の資格を持っている女性は私だけなのですが、まだ救命士としての活動はできていません。一年間、救急隊として活動し、病院実習を終えて、初めて救急救命士としての活動ができるようになります。
 今は救急隊として経験を積んで、病院の実習をこなして、救急救命士として早く現場に入りたいと思っています。将来的には隊長として現場を指揮できるよう頑張りたいです。

佐伯さん
 あと、女性がもっと増えたらいいなと思います。警察、自衛隊、消防は女性の少ない職種というイメージがありますが、その中でも消防の女性の割合が一番少ないです。やはり「体力的にきつい」というイメージが強いのかなと思います。
 でも、現場に行くだけが消防の仕事ではありません。重要な仕事は他にもたくさんあります。例えば、119番の電話を最初に受ける司令官や、事務の仕事、啓発の仕事など、実はいろいろな仕事があります。

高木さん
 私が入った令和4年は、私を含めて3人の女性が採用されました。でも、今年は新人の女性がいません。佐伯さんの言うとおりいろいろな仕事があって、男性でないとできない仕事ではないので、興味のある人はぜひ目指してほしいと思います。また、自分が頑張る姿を通して消防という仕事を多くの人に伝えられたらと思っています。

(2023年10月10日)

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