新種化石09「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」

ページ番号1002517  更新日 2022年2月8日

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2014年10月1日発行の日本古生物学会の国際学術誌「Paleontological Research」(パレオントロジカル・リサーチ)に論文が掲載され、Sinamia kukurihime「シナミア ククリヒメ」の学名がつきました。

学名:Sinamia kukurihime
名前の構成:属名(Sinamia属)+新種小名(kukurihime)
意味「菊理媛支那のアミア」
「Sinamia」(シナミア)は「支那(中国)のアミア」、「kukurihime」(ククリヒメ)は「菊理媛」の意味。

写真:シナミア ククリヒメの化石
【1】舌顎骨【2】喉板【3】歯骨【4】主上顎骨
*スケールは1と2の1マスが1cm、3と4の1メモリが1mmを表す
(1はホロタイプ標本、2~4はパラタイプ標本)

研究の経緯

シナミア科魚類は桑島化石壁からもっともたくさん産出する魚類化石ですが、化石は全て関節が離れており単独で産出しているものがほとんどです。通常、魚類の種を決める場合は体形や鰭や脊椎骨の数などが手がかりとなるのですが、このようにバラバラになった化石で種を決めることは非常に困難です。

今回、シナミア科の全種(全部で6種)との比較を行い、舌顎骨に明らかな違いが認められたことから舌顎骨を含む41個の標本に基づいて新種発表を行うこととなりました。

シナミア ククリヒメについて

頭頂骨が1対(2つ)ではなく1つであること、体が長いガノイン鱗で覆われることなどの特徴からシナミア科魚類と考えられます。

また、舌顎骨の形態がこれまで知られている6種のものとは異なるという特徴から新種と認められました。

この新種シナミア科魚類には白山神社の総本宮である白山比咩神社に祀られている菊理媛(くくりひめ)に因んで、「シナミア ククリヒメ」という学名がつけられました。

シナミア科魚類の化石はこれまで中国から6種見つかっていますが、国内で正式に学名のついたものは今回が初めてとなります。日本における新種の発見は東アジアの白亜紀にシナミア科魚類が広く生息し、多様化していたことを示すと同時に、当時、日本がアジア大陸の一部であったことを改めて証明してくれます。

シナミアついて

シナミアとは条鰭類アミア目シナミア科魚類の属名で、中国の淡水の地層からは6種が発見されています。アミア目魚類は世界各地の中生代と新生代の地層から化石が発見されていますが、現生では北アメリカの淡水にアミア カルヴァ1種が生き残っているだけです。

問い合わせ

白峰化石調査センター(白山恐竜パーク白峰内)
〒920-2502石川県白山市桑島4-99-1
電話:076-259-2724 ファクス:076-259-2335
Eメール:h-kaseki@city.hakusan.lg.jp

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