新種化石05「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」
2008年9月22日発行の中生代魚類学会の「Mesozoic Fishes」(メソゾイック フィッシィズ/「中生代の魚類」という意味)に論文が掲載され、Tetoriichthys kuwajimaensis(テトリイクチス クワジマエンシス)の学名がつきました。
学名:Tetoriichthys kuwajimaensis
名前の構成:新属名(Tetoriichthys属)+新種名(kuwajimaensis)
意味「桑島の手取魚」
「Tetori」(テトリ)は「手取層群」、「ichthys」(イクチス)は「魚」
「kuwajima」(クワジマ)は「桑島」、「ensis」(エンシス)は「地名の接尾辞」
発見からの経緯
今回新種として確認された魚類化石は、2000年10月に桑島化石壁の岩石中から、頭部骨格の一部や脊椎骨、鱗が発見されました。
その後の研究で、この標本がアロワナ目魚類の新属新種の化石であることが判明し、新種名を提唱する論文が2008年9月22日発行の中生代魚類学会の「Mesozoi Fishes 4」掲載され、新種の学名“テトリイクチス・クワジマエンシス”が国際的に公表されました。
テトリイクチス・クワジマエンシスについて
前頭骨(頭蓋骨で一番大きな骨)の前部が幅広いことや、前鰓蓋骨下肢の感覚管開口部が水平な溝であること、鱗が分厚く大きいことなど、いくつかの特徴から、アロワナ目魚類と考えられます。
また、前頭骨の前部の幅が後部の幅の1.4倍であることや、前鰓蓋骨下肢感覚管開口部の後1/3が溝ではなく4つの孔に分かれていること、鱗に水平な溝があるといった特徴が、新属新種として認められる決め手となりました。
アロワナ目の化石は世界各地から見つかっていますが、テトリイクチスは、これまでの最古の記録から約1500万年から2000万年さかのぼることになる、アロワナ目魚類で世界最古の化石となります。
これまでの最古の記録は前期白亜紀の中頃(約1億1500万年前)のアロワナ科とされるラエリイクチス(Laeliichthys)と、前期白亜紀後期(約1億1000万年前)のナギナタナマズ科のパラエオノトプテルス(Palaeonotopterus)でした。
(テトリイクチスが、どちらの科に属するのかわかっていないため、最古の記録が2つ示されています。どちらの科に属するとしても世界最古の記録になります。)
アロワナ目魚類について
アロワナ目魚類は、アロワナ科、ナギナタナマズ科、モルミュルス科、ギュムナルクス科からなる淡水魚で、世界最大の淡水魚であるピラルクー(全長4メール以上にもなるといわれる)を含んでいます。現生のアロワナ科魚類はアフリカ、南アメリカ、東南アジア、オーストラリアに、ナギナタナマズ科はアフリカと東南アジアに、モルミュルス科とギュムナルクス科はアフリカに生息しています。
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