新種化石03「桑島化石壁産出のトカゲ類化石に学名がつきました」

ページ番号1002511  更新日 2022年2月8日

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2008年3月14日発行の英国古生物学会誌「Palaeontology」(パレオントロジー/「古生物学」という意味)に論文が掲載され、Kuwajimalla kagaensis(クワジマーラ・カガエンシス)の学名がつきました。

学名:Kuwajimalla kagaensis
名前の構成:新属名(Kuwajimalla属)+新種名(kagaensis)
意味「加賀の桑島の小さな乙女」
「Kuwajima」(クワジマ)は「桑島」、「lla」(ラ)は「小さな」を意味する女性詞
「kaga」(カガ)は「加賀」、「ensis」(エンシス)は「地名の接尾辞」

写真:Kuwajimalla kagaensis(クワジマーラ・カガエンシス)上顎

【上顎】
前後長:約6.5ミリ

*右上顎を内側からみたところ
(学名を担うホロタイプ標本)


写真:Kuwajimalla kagaensis(クワジマーラ・カガエンシス)下顎

【下顎】
歯の大きさ:長さ約2ミリ、幅約0.4ミリ

*下顎を内側からみたところ

発見からの経緯

今回新種として確認されたトカゲ類化石は、2001年4月に桑島化石壁の岩石中から、上顎の骨を含む頭部の一部と歯が発見されました。
その後の研究で、この標本が植物を食べるトカゲの新属新種の化石であることが判明し、新種名を提唱する論文が2008年3月14日発行のパレオントロジー誌に掲載され、新種の学名“クワジマーラ・カガエンシス”が国際的に公表されました。

クワジマーラ・カガエンシスについて

クワジマーラの歯は、槍の先のような歯にギザギザした部分がついており、イグアナの歯の形とも類似しています。このことなどから、主に葉を食べていた植物食のトカゲであったと推定されます。

植物の消化には時間がかかるため、体内でゆっくり消化するための大きな胃袋が必要になり、一般的に植物食の動物は肉食の動物よりも体が大きくなります。そのため、現生種のトカゲのなかで植物食トカゲは、全体の3%未満と珍しい存在となっています。白亜紀にあっても、植物食のトカゲは珍しかったと考えられています。

これまで最古の植物食トカゲは、北米のディコソドン(白亜紀中頃、約9960万年前)とされていました。クワジマーラの発見はおよそ3000万年さかのぼる、世界最古の植物食トカゲの記録となります。
クワジマーラが含まれるボレオテユー上科は白亜紀を通してアジア、北米に分布していましたが、白亜紀末に絶滅しており、現生種はいません。現在南米に生息しているテグートカゲなどを含むテユー科に近縁となります。

日本で中生代のトカゲが新種として命名されるのは、テドロサウルス(1967年・福井県福井市)、サクラサウルス(1999年・岐阜県高山市荘川町)に次いで三例目になります。

問い合わせ

白峰化石調査センター(白山恐竜パーク白峰内)
〒920-2502 石川県白山市桑島4-99-1
電話:076-259-2724 ファクス:076-259-2335
Eメール:h-kaseki@city.hakusan.lg.jp

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