ヨハネス・ユストゥス・ライン著「JAPAN」

ページ番号1012925  更新日 2024年7月8日

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白山市指定有形文化財 歴史資料
ヨハネス・ユストゥス・ライン著「JAPAN」

〔所在地〕白山市桑島
〔所有者〕桑島区
〔員数〕3冊
〔指定日〕平成2年12月1日

第1巻「ミカドの国の自然と国民」写真
第1巻「ミカドの国の自然と国民」
第2巻「農業、林業、工業、商業」写真
第2巻「農業、林業、工業、商業」
第1巻英語版の写真
第1巻英語版

ヨハネス・ユストゥス・ライン博士(1835~1918)はドイツの地理学者です。プロイセン王国商務省から日本の産業視察の命を受けて1873年末に来日し、本州・四国・九州の延べ35県にわたって8度の調査旅行を行いました。この旅行により日本各地の鉱工業、繊維産業、刃物製造業、製陶業、製紙業、漆器製造業、染色業、木工業、製畳業、宝石産業、金属加工業、農林業、畜産業などの現場をくまなく調査しています。
その一方で、日本各地の地形、地質、動植物、宗教事情、民俗や歴史などについても熱心に観察し、記述しています。その成果をもとにドイツに帰国後まとめられたものがこれらの書籍です。いずれも表紙カバーから『JAPAN(日本)』という書名で知られていますが、正式な書名は『(プロイセン王国政府の委任を受けた)旅行と研究による日本』であることが、標題紙から分かります。
このうちドイツ語で書かれた書籍が2冊で、2巻から構成されており、第1巻のタイトルは「ミカドの国の自然と国民」で1881年出版、第2巻のタイトルは「農業、林業、工業、商業)」で1886年出版、もう1冊は第1巻の英語版で1884年にロンドンから出版されたもので、いずれも初版です。
特に第1巻には、登攀調査を行った白山のようすや嶋村(しまむら)(現在の白山市桑島)付近のガレ場で、シダ類やソテツ類などの化石16個を採取したことなどが記載されています。その化石は後年、友人の古生物学者・ヘルマン・テオドール・ガイラー博士の手によって分析され、3年後には「日本のジュラ紀地層から出土した植物化石について」という論文発表につながりました。これは、化石によって初めて日本の地質年代測定が発表された点において、日本における近代地質学および近代古生物学の嚆矢(こうし)ともいえます。こうした理由から、白山市にとって貴重な歴史資料であるとして有形文化財に指定されています。

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