新種化石12「桑島化石壁産出の両生類化石に学名がつきました」

ページ番号1002520  更新日 2022年2月8日

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アメリカの国際電子ジャーナル「PLoS ONE」で、2018年1月3日に論文がオンライン公開され、Shirerpeton isajii(シラーペトン・イサジイ)の学名がつきました。

学名:Shirerpeton isajii
名前の構成:新属名(Sirerpeton属)+新種小名(isajii)
意味「伊左治博士の白い這う者」
「Shire」(シラ)は白峰の「白」、「peton」(ペトン)はギリシャ語で「這う者」
「isaji」(イサジ)は「伊左治博士」、「i」(イ)は「人名の接尾辞」

写真:Shirerpeton isajii(シラーペトン・イサジイ)

【頭骨のパーツを43個含む母岩】
縦:約15ミリ
横:約15ミリ
(学名を担うホロタイプ標本)

研究の経緯

2012年に、桑島化石壁から産出した整理中の化石を、神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員である松本涼子博士が観察中に、当該標本を発見。松本涼子氏は、2014年から、小型爬虫類、両生類化石が専門であるロンドン大のスーザン・エバンス博士とともに、この化石の研究を始めました。2014年から2015年にかけて、エバンス氏がクリーニングを進めたところ、両生類のアルバノペトン科であることが判明します。その後、マイクロCTで母岩内部を撮影したところ、43もの頭骨のパーツと椎体などが確認されました。そして、他の4属のアルバノペトン類と比較した結果、他のどのアルバノペトン類とも頭骨の形態が異なるこがわかり、新属新種のアルバノペトン科両生類“シラーペトン・イサジイ”として電子ジャーナル「PLOS ONE」に掲載されることになりました。

シラーペトン・イサジイについて

分類:両生綱 アルバノペトン科
命名者(論文の著者):松本涼子(神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸員)、スーザン・エバンス(ロンドン大学 教授)
推定全長:
食性:昆虫食
産地:石川県白山市桑島「桑島化石壁」
地層:手取層群桑島層
時代:前期白亜紀(約1億3000万年前)

新種の特徴

以下のような、頭部や下顎にある特徴が、既存種とは異なる。

  1. 前頭骨は釣鐘型ではなく三角形である。また、鼻骨間の突起が細長い三角形。
  2. 眼窩後方部分が翼のように伸長し、骨の表面が平滑である(蜂の巣状の表面彫刻をもたない)。また、後頭部の関節突起が2分岐している。
  3. 下顎(歯骨)の縁が一直線ではなく、山型になっている。
  4. 異歯性である。
  5. 他の種よりも小型である。

アルバノペトン科について

アルバノペトン科とは、中生代ジュラ紀中期から新生代新第三紀鮮新世まで知られている絶滅両生類であり、謎の多いグループです。その外形はサンショウウオに似ており、これまでに4属(アルバノペトン属、アノウアラーペトン属、セルテデンス属、ウェッサーペトン属)が知られています。その産出はヨーロッパや北米が中心であり、これまでアジアでの産出はウズベキスタンの後期白亜紀の地層からのものしかありませんでした。ところが、今回、東アジアでは初、しかもアジアで最古の記録となるアルバノペトン科の化石が桑島化石壁から発見されたのです。

発見の意義

  • 本標本は、東アジア初のアルバノペトン科両生類の報告であり、アジア最古の化石記録です。
  • アルバノペトン科は、これまでに予想されていたよりも早くからアジアに分布を広げていた事が明らかとなりました。
  • 立体的に保存された頭骨によって、詳細な解剖学的特徴が明らかになりました。
  • 1個体分の骨がまとまって見つかっており、大部分の頭骨のパーツが保存されていた。また、世界的にもこれまで見つかっていなかったアルバノペトン科の頭骨部位が確認されました。

問い合わせ

白峰化石調査センター
〒920-2502石川県桑島4-99-1
電話:076-259-2724 ファクス:076-259-2335
Eメール:h-kaseki@city.hakusan.lg.jp

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