白山市産出化石ニュース1「桑島化石壁から国内初のハ虫類化石産出」

ページ番号1002493  更新日 2022年2月8日

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2002年、2010年に相次いで発見されたハ虫類化石が、研究の結果、日本では未発見のネオコリストデラ類であることが明らかになり、その研究結果をまとめた論文が2014年4月25日発行予定の英国国際学術雑誌「Historical Biology」に掲載されます。

写真:下顎の歯骨部分
【下顎の歯骨部分】
発見された化石は3点。写真はそのひとつのSBEI 2384。
全て、白山市白峰化石調査センター所蔵標本。
※スケールバーは10mmを表す。

桑島化石壁産ネオコリストデラ類概要

分類:ハ虫類 双弓類 コリストデラ類 ネオコリストデラ類
推定全長:1~2m
食性:動物食
産地:石川県白山市桑島「桑島化石壁」
地層:手取層群桑島層
時代:前期白亜紀(約1億3000万年前)
標本:右前上顎骨(SBEI 1854)、右上顎骨(SBEI 2204)、右歯骨(SBEI 2384)
※全て、白峰化石調査センター所蔵

発見からの経緯

今回国内初のネオコリストデラ類として確認されたハ虫類化石は、ライントンネル掘削岩石調査において2002年および2010年に白山市手取層群化石調査団員らが発見・採集したものになります。
この標本については、松本 涼子博士(神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員)らによって調査・研究がおこなわれてきました。その結果、日本ではこれまで未発見のハ虫類、ネオコリストデラ類であることが明らかとなり、2014年4月25発行予定の国際学術雑誌「Historical Biology」に論文が掲載されることになります。

ネオコリストデラ類である特徴

  1. 比較的浅い歯槽に円錐形の歯が植立している。
  2. 下顎の表面の神経孔が前後に伸びて細長い溝になっている。
  3. 鼻孔が1つの孔になっており、吻部の先端に位置する。
  4. 下顎の左右の関節面が伸長している。
  5. 上顎骨の歯列が正中に平行である。

上記の特徴から、コリストデラ類の中でも、細長い吻部(鼻の部分)を持つタイプであるネオコリストデラ類であることが明らかとなりました。

コリストデラ類について

コリストデラ類は、ジュラ紀中期に出現し、アジア、ヨーロッパ、北米に分布を広げ、恐竜といった多くの中生代ハ虫類が絶滅した約6600万年前の大量絶滅を生き残りました。しかし、約1500万年前の新生代中新世の中頃に絶滅してしまいました。近年の研究成果によると、コリストデラ類の形態は大きくわけて、3タイプあったと考えられています。

  1. 首の長いタイプ(岐阜県高山市で発見されている、ショウカワなど)
  2. 吻部も首も短い、トカゲのようなタイプ(桑島化石壁で発見されている、モンジュロスクスなど)
  3. 吻部の細長い、ワニのようなタイプ(ネオコリストデラ類)

これまで、石川県白山市からは2のタイプのコリストデラ類が発見されており、今回、ネオコリストデラ類が発見されたことで、全3タイプのうち、2タイプのコリストデラ類が同市内から発見されたことになります。また、岐阜県高山市からは1のタイプのコリストデラ類が発見されており、手取層群としては、コリストデラ類の全てのタイプが発見されていることになります。

発見の意義と今後の展望

コリストデラ類は、世界的に標本数が少ないことが知られています。そのような現状から、今回発見されたネオコリストデラ類化石も世界的に貴重な化石標本のひとつだと言えます。今回の発見で、前期白亜紀の日本では、多様なコリストデラ類がいたことがわかりました。現在わかっている限り、世界的にみても3タイプのコリストデラ類が同所的に発見されているのは、前期白亜紀のアジアだけです。この多様性の高さから、前期白亜紀のアジアはコリストデラ類の進化の研究において重要な地域であることが指摘されており、本研究成果はこの定説を裏付ける、重要な追加データとなりました。今後、調査を継続することで更なる化石が発見され、手取層群のネオコリストデラ類の全身像が明らかとなり、また、コリストデラ類の進化の謎をひも解く鍵が得られるものと期待されます。

問い合わせ

白峰化石調査センター(白山恐竜パーク白峰内)
〒920-2502 石川県白山市桑島4-99-1
電話:076-259-2724
ファクス:076-259-2335
Eメール:h-kaseki@city.hakusan.lg.jp

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